総説と臨床試験が示す、脳にとどまらない認知症予防の広がり

200件超の研究を対象とした総説により、認知症症例の最大3分の1が脳外の疾患と関連する可能性が示された。さらに、POINTER、ACHIEVE、SPRINT MINDなどのRCTや幅広い観察研究は、多領域にわたる予防戦略を支持している。

200件超の研究を対象としたシステマティックレビューにより、認知症症例全体の最大3分の1が脳の外にある疾患と結びついていること、すなわち世界全体で約1,900万件の認知症症例に相当することが示された。こうした知見は、認知症には多くの異なるサブタイプがあり、そのすべてが必ずしも脳に起因するわけではないことを示唆する、増えつつあるエビデンスに加わるものだ。2024年のLancet Commission on Dementia Prevention, Intervention and Careは、RCT、長期観察研究、メタアナリシス、自然実験、実装研究、グレーリテラチャーを見渡す「統合的」なエビデンスモデルを採用している。

今回の世界的レビューでは、世界各地のデータを用いて最大16の原因候補が特定された。認知症リスク上昇との相関が最も強かった上位5つの末梢疾患は、歯周病、慢性肝疾患、難聴、視力低下、2型糖尿病だった。変形性関節症、腎疾患、心血管疾患、慢性閉塞性肺疾患、免疫介在性炎症性疾患については、やや弱い相関が観察された。

このレビューは因果関係を証明するものではない。しかし著者らは、その結果が「末梢疾患の積極的な予防によって認知症発症を軽減できる可能性を示している」と述べた。メタアナリシスによれば、一般的な26の末梢疾患のうち10疾患は、今回のシステマティックレビューで認知症リスクとの有意な関連を欠いており、これには高血圧、肥満、高コレステロール、うつ病、甲状腺疾患が含まれていた。この研究はNature Human Behaviorに掲載された。

非常に特定的な医学的問いを検証する際には、ランダム化比較試験 (randomized controlled trial, RCT) が依然として不可欠である。アルツハイマー病治療薬LecanemabおよびDonanemabのRCTでは、約18カ月にわたり機能低下の進行を小さいながらも臨床的に意味のある程度に抑制することが示された一方、amyloid治療に関連する脳画像変化のように監視を要するリスクも示された。

予防についてはランダム化エビデンスも存在する。米国のPOINTER RCTでは、認知機能低下のリスクが高い高齢者2,000人超が構造化された生活習慣プログラムに参加し、2年間で、より集中的な支援を受けた群は、より軽度のプログラム群よりも思考力の改善が大きかった。ACHIEVE RCTでは、難聴治療が認知症高リスク者における認知機能低下を遅らせることが示されたが、低リスク者を含む全参加者をまとめて解析した場合には、その効果は認められなかった。SPRINT MIND RCTは、集中的な血圧管理が軽度認知障害を減少させ、認知症も減少する可能性を示唆した。

環境要因もまた、幅広いエビデンスの視点が必要であることを浮き彫りにしている。微小粒子状物質による大気汚染(PM2.5)への長期曝露は認知症リスク上昇と関連し、緑地の多い環境はリスク低下と関連している。高い教育達成度と生涯学習は「認知予備能」を築き、脳が疾患によりうまく対処する助けになるとみられる。

GRADE Working Groupは現在、ランダム化研究と非ランダム化研究のエビデンスを構造的に組み合わせることを支持している。GRADE Guidance 44は4つの手順を提示している。すなわち、目標と閾値を定義すること、RCTと非RCTが類似した効果を示しているか確認すること、どのエビデンスの質評価要因が最も重要かを特定すること、そしてエビデンスを統合するか分けて扱うかを判断することである。

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References

  1. Do Statins Increase Dementia Risk? - Cleveland Clinic Health Essentials · health.clevelandclinic.org
  2. Expanding dementia prevention and care beyond randomized control trials · healthydebate.ca
  3. One in Three Dementia Cases Is Linked to Disease Outside The Brain - Science Alert · sciencealert.com