世界初の膠芽腫免疫療法、米国で臨床試験開始

米国で、膠芽腫に対する免疫療法を検証する世界初の臨床試験が開始された。GIANT試験では、手術前にNivolumabとRelatlimabを投与し、結果は約2年後に得られる見込み。これまでに3人の患者が登録されている。

最も進行性の脳腫瘍である膠芽腫の治療を一変させることを目指す世界初の臨床試験が、米国で開始された。GIANTGlioblastoma Immunotherapy Advancement with Nivolumab and Relatlimab)と名付けられたこの試験では、この致死性の脳腫瘍と診断された患者に免疫療法薬が有効かどうかを検証する。

ノースカロライナ州デューク大学のオーストラリア人医療腫瘍学者ムスタファ・カスロー教授が試験を主導する。この2段階試験には、デューク大学に加えて、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ヒューストン、ニューヨークの4つの癌センターが参加する。

第1段階では、新たに診断された少数の患者を対象に、この実験的治療の安全性を確認する。第2段階では、より多くの患者が、手術前に1種類または2種類の免疫療法薬(NivolumabRelatlimab)を無作為に割り当てられ、手術後には従来の治療法(放射線療法と化学療法)と併用する。

この試験の基礎を築いたのは、2023年半ばにIDH野生型膠芽腫と診断された2024年オーストラリアン・オブ・ザ・イヤーのリチャード・スコイヤー教授である。不治の病と知りながら、同僚で医療腫瘍学者のジョージナ・ロング教授は、進行性黒色腫患者への免疫療法で成功した経験を試すことを提案した。スコイヤー氏は「たとえ余命が数か月短くなっても、すぐに非常に重要な情報が得られるはずだ。診断から長い時間が経った今も生きて機能しているということは、確かに希望を与えてくれる」と語った。

スコイヤー氏は、昨年3月の手術で腫瘍の再発が判明し落胆したが、余命わずか数か月という予想に反して生き延びている。自身の状態は悪化し続けていると考えている一方で、来月タスマニアで行われるチャリティー自転車イベントに向けてトレーニングを続けており、ランニング中に転倒して肋骨2本を折るという中断もあった。

主任研究者であるカスロー氏は、GIANT試験は世界中の多くの機関から臨床医と科学者を集めた「チームサイエンス」であり、「患者に革新と希望をもたらす」ものだと述べた。これまでに3人の患者が登録され、4人目は初期スクリーニング段階にあるという。

カスロー氏はスコイヤー氏が非常に長生きすることを願っているが、同氏がまだ生存しているという事実から治療について過度の結論を引き出すことはできないと述べた。「私は科学者だ。データに突き動かされている。何かが本当に効果的だと信じるには、臨床試験データを見る必要がある」と同氏は語った。同氏はこの試験を膠芽腫治療にとって「間違いなく正しい方向への一歩」と考えている。

カスロー氏は、この治療法が革新的なものとなるかどうか、約2年以内に分かる見込みだと述べた。ロング氏が開発した治療法に関する査読付き論文が昨年、国際誌Nature Medicineに掲載され、試験の基礎が築かれた。

オーストラリアでは、2011年に夫グレッグ・ランゲ氏を脳癌で亡くしたラジオパーソナリティのキャリー・ビックモア氏が設立した脳癌センターの研究者らが試験を実施する。オーストラリア側の責任者は、メルボルンのピーター・マッカラム癌センターの神経腫瘍学者ジム・ウィットル准教授である。この試験では、新たに診断された膠芽腫患者のみを募集する。免疫療法は、放射線療法や化学療法による治療を受ける前の腫瘍に対して効果を発揮する可能性が高いと考えられているためだ。

カスロー氏は、この試験によって、膠芽腫治療に対するこのアプローチの実現可能性と有効性が明らかになるだろうと述べた。

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References

  1. Cancer Researcher and Pathologist Richard Scolyer Dies at 59 | The Scientist · the-scientist.com
  2. Scolyer Hails US Brain Cancer Trial Excitement - indonesiakini · indonesiakini.id
  3. 'Incredibly excited': Richard Scolyer hails new US trial for brain cancer - SMH · smh.com.au