米国精神医学会、精神疾患のバイオマーカー導入に向けたロードマップを発表
APAがDSMの将来像を示すロードマップを発表した。バイオマーカーの導入が提案され、睡眠データによるうつ病再発予測の有効性や、脳内信号に基づく精神疾患の新分類フレームワークが示された。
米国精神医学会(APA)は2026年1月、「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)」の将来的な進化に向けたロードマップを提示する一連の論文を発表した。提案には、バイオマーカーの導入や、マニュアル名称を「診断と科学マニュアル(Diagnostic and Scientific Manual)」へ変更する案も含まれている。
また、2026年2月に『JAMA Psychiatry』に掲載された研究では、活動量計(アクチグラフィー)から得られた睡眠指標が、うつ病の再発予測に有用であることが示された。睡眠パターンが不規則な患者は、再発リスクが約2倍高いことが確認された。
さらに、脳内の電気・化学シグナルを用いて精神障害を説明・分類する新たな概念的フレームワークも提案されている。このフレームワークでは、ニューロンそのものではなく、ニューロン群における信号の「セット」が機能を決定するとし、2030年までに精神疾患のバイオマーカー開発につなげることを目指している。また、AI時代における人間の知能の分類法についても言及している。