FDAが方針を転換、ModernaのmRNAインフルワクチン申請を審査へ

FDAは、いったん「審査拒否(refusal to file)」として退けたModernaのmRNAインフルエンザワクチン申請を方針転換して受理し、審査を行う。PDUFA目標期日は8月5日で、Modernaは高齢者に対する懸念に対応するため市販後試験の実施も約束した。

米国食品医薬品局(FDA)は方針を急転換し、Modernaの実験的なmRNAインフルエンザワクチンの審査に同意した。この動きは、同局が同社の申請の評価を拒否してからわずか1週間後に起きたもので、バイオテク業界に衝撃が走った。

当初の拒否の焦点は、Modernaの臨床試験の設計にあった。規制当局は以前、試験の対照群に含まれる高齢者について、同社はより高力価のインフルワクチンと比較して評価すべきだったと主張していた。FDAは2月3日、「審査拒否(refusal to file)」の書簡を送り、申請は「審査に不十分(inadequate for review)」だとした。こうした書簡はまれであると、2021年のJAMA Internal Medicineの研究は報告している。

Type Aミーティングを受け、FDAは50歳以上の成人を対象とするmRNA-1010について、処方薬ユーザーフィー法(Prescription Drug User Fee Act:PDUFA)の目標期日を8月5日に設定した。新たに受理された申請のもとで、Modernaは年齢に基づく2種類の承認を求めている。同社は50~64歳の成人に対しては通常承認(full approval)を申請している。65歳以上については「迅速承認(accelerated approval)」を求めており、これは追加研究を継続しながら、早期データに基づいて製品をより迅速に市場へ投入できる仕組みである。

高齢者に関するFDAの従来の懸念に対応するため、Modernaは市販後試験(post-marketing study)を実施することを約束した。これは、ワクチンが一般に使用された後も、高齢者をどの程度防御できているかに関するデータ収集を継続することを意味する。

承認されれば、これはModernaのCOVID-19ワクチンを支えたのと同じメッセンジャーRNA技術を用いる初のインフルワクチンとなる。従来のインフルワクチンが免疫系を刺激するためにウイルスタンパク質を体内に投与するのに対し、mRNAワクチンは細胞にウイルスタンパク質を作るためのコードを供給し、その結果生成されたタンパク質が免疫系を刺激する。

mRNAインフルワクチンの安全性と有効性を検証するため、Modernaは第3相試験を2本実施した。1つの試験では、40,000人超の参加者が実験的ワクチンまたは標準用量のインフルワクチンを接種した。別の試験では、mRNAワクチンを標準用量ワクチンおよび高齢者に推奨される高用量ワクチンと比較した。マサチューセッツ州を拠点とする同社は、承認済みの標準用量インフルワクチンであるFluarixと比較したと述べた。

FDAが生物製剤ライセンス申請(biologics license application)を受理したことはModernaにとって重要な一歩であり、mRNA-1010は米国、欧州、カナダ、オーストラリアなど複数の地域で審査が受理されている。同社は2026年に追加の申請を計画しており、規制当局の審査を条件に、同年内の承認の可能性を見込んでいる。

CEOは来たるインフルシーズンに自信を示した。「FDAの承認が得られれば、米国の高齢者がインフルから身を守るための新たな選択肢にアクセスできるよう、今年後半に当社のインフルワクチンを提供できることを楽しみにしている」とCEOは声明で述べた。このスケジュールであれば、秋の呼吸器ウイルス流行シーズンに間に合うようにワクチンを供給できる。

Modernaは第4四半期の損失が1株当たり2.11ドルで、予想損失の2.59ドルを上回り、前年の損失2.91ドルから改善したと報告した。四半期売上高は6億7,800万ドルで、予想の6億2,609万7,000ドルを上回った。Modernaは2025年に19億4,000万ドルから最大10%の売上成長を目標としており、2026年の売上構成は米国が約50%、海外が約50%になると見込んでいる。

就任以来、長年ワクチンに懐疑的な保健長官は、mRNA関連プロジェクトに対する連邦政府の助成金および契約約5億ドルを取り消してきた。5月には、米国保健福祉省(HHS)がModernaによる鳥インフルワクチン開発のための資金を引き揚げた。8月には、HHSが5億ドル規模のmRNAプロジェクトを段階的に縮小する計画を発表した。

HHSはModernaの発表を確認したが、過去の立場についてはコメントしなかった。「同社との協議により、規制上のアプローチが見直され、修正申請が提出され、FDAがこれを受理した」とHHSの広報担当者は述べた。「FDAは、すべての製品と同様に、審査および(承認が見込まれる場合の)ライセンス付与の各段階で高い基準を維持する」。

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References

  1. Moderna’s mRNA Flu Vaccine Back Under FDA Review · www.drugs.com
  2. FDA Declines to Review Moderna's mRNA Flu Vaccine Application · www.thecardiologyadvisor.com
  3. FDA Makes U-Turn Again On Moderna New Flu Vaccine Review, Stock Soars - Benzinga · www.benzinga.com
  4. FDA Will Review Moderna's mRNA Flu Shot Application, Reversing Its Previous Decision · www.notus.org
  5. FDA Will Review Moderna's New mRNA Flu Shot | KFYR 550 AM / 99.7 FM - iHeart · kfyr.iheart.com