バイオテック2社、2025年通期決算と開発パイプラインの進捗を発表
Edgewise TherapeuticsとIDEAYA Biosciencesは、2025年通期の財務結果を発表し、臨床試験の進捗や提携などの戦略的取り組みを明らかにした。両社は複数の臨床段階プログラムを前進させる一方、研究開発を中心とする大きな営業費用を管理している。
Edgewise Therapeutics, Inc.は、希少な神経筋疾患および心疾患に対する精密医療の開発に注力するバイオ医薬品企業で、研究開発費の増加を主因として、通期の純損失が1億6,780万ドルとなり、前年度の純損失1億3,380万ドルから拡大したと報告した。精密医療の腫瘍領域企業であるIDEAYA Biosciences, Inc.は、純損失が(1億1,370万ドル)となり、前年度比で1億6,080万ドル(59%)改善したと報告した。
Edgewiseは、営業費用の合計が1億9,140万ドルとなり、前年度の1億5,880万ドルから増加した。これは研究開発活動の拡大および販売費・一般管理費の増加によるもの。研究開発費は1億5,140万ドルで、前年度の1億2,700万ドルから増加しており、主に臨床プログラムの進展と人件費の増加が要因であった。販売費・一般管理費は4,000万ドルで、前年度の3,190万ドルから増加し、主に人件費および専門家報酬の増加によるものだった。受取利息は2,360万ドルで、前年度の2,500万ドルからわずかに減少した。これは平均有価証券残高が増加した一方、国債利回りの平均が低下したことに起因する。
IDEAYAは、共同開発収益が2億1,870万ドルとなり、主にServier License Agreementにより、前年度比で2億1,170万ドル(3,024%)増加したと報告した。営業損失は(1億5,930万ドル)で、前年度比で1億6,770万ドル(51%)改善した。受取利息およびその他収益(純額)は4,560万ドルで、前年度比で690万ドル(13%)減少した。
Edgewiseは、経口投与のミオシン阻害薬であるsevasemtenを、DuchenneおよびBecker型筋ジストロフィーに対する後期臨床試験で開発している。FDAは、これらの適応症についてFast TrackおよびOrphan Drug Designationsを付与した。Becker型筋ジストロフィーを対象としたARCH試験およびCANYON試験の良好な結果では、sevasemten治療により機能の安定化と筋損傷バイオマーカーの低下が示された。DUNE試験では、sevasemten治療を受けたBecker患者において運動後の筋損傷バイオマーカーが有意に低下することが示された。MESA試験では、ARCH試験およびCANYON試験に以前参加していたBecker患者で、疾患の安定化が持続していることが引き続き示されている。Duchenneを対象とするLYNX試験およびFOX試験は進行中で、LYNXでは有望な機能改善が示されており、FOXでは遺伝子治療を受けたDuchenne患者におけるsevasemtenを評価している。
心筋サルコメア・モジュレーターであるEDG-7500は、肥大型心筋症(HCM)を対象に第2相試験中である。第2のモジュレーターであるEDG-15400は、駆出率保持心不全(HFpEF)を標的として第1相試験中である。EDG-003の創薬プログラムでは心代謝性疾患の候補を探索しており、他の筋疾患へのパイプライン拡大の可能性を示している。
IDEAYAの臨床パイプラインは、4つの重点領域(Uveal Melanomaに対するDarovasertib、ADCおよびDNA Damage Response Combinations、MTAP Pathway、Next Generation Therapies)にわたり、first-in-classとなり得る9つの製品候補から構成される。最も開発が進んでいる臨床プログラムであるDarovasertibは、希少な眼のがんであるUveal Melanomaを標的とする。転移性および前転移の設定で複数の試験が実施されており、第2/3相試験のデータは2026年第1四半期(Q1 2026)に報告される見込みである。DarovasertibはFDAからBreakthrough Therapy、Orphan Drug、Fast Trackの指定を受けている。
IDE849およびIDE034は、トポイソメラーゼI阻害薬ベースのADCとDDR経路阻害薬の併用を検討する主要候補であり、IDE849はSCLCおよびNECにおける第1相データで有望な結果を示した。IDE397はMAT2A阻害薬で、MTAP欠失の尿路上皮がん(UC)および非小細胞肺がんにおいてTrodelvyとの併用で評価されている。UC患者を対象とした第1/2相試験の初期データは2025年に提示された。IDEAYAは、腫瘍ドライバー経路を標的とする次世代治療も開発しており、二重KAT6/7阻害薬のIDE574およびWRNヘリカーゼ阻害薬のIDE275を含む。これらは2026年に第1相試験開始が計画されている。
Edgewiseは、主に転換型優先株の私募および普通株の公募により事業を資金調達しており、2025年12月31日時点の累計調達額は7億9,370万ドルとなった。2025年には、引受付きの登録ダイレクト・オファリングを完了し、総収入2億ドルを調達した。同社はLeerink Partners LLCと「at the market offering」プログラムも保有しており、最大1億7,500万ドルの普通株を売却できる。2025年12月31日時点で、現金、現金同等物、および売却可能有価証券の合計は5億3,010万ドルであった。
IDEAYAは、主に普通株の売却および戦略的パートナーからのマイルストン支払いにより事業を資金調達した。2025年には、2024年1月のSales Agreementに基づき、純収入2,500万ドルで株式を売却した。IDEAYAは2024年7月に公募によるフォローオン・オファリングを完了し、純収入約2億8,380万ドルを調達した。2025年12月31日時点で、現金、現金同等物、および売却可能有価証券の合計は約10億5,000万ドルであった。
IDEAYAは、臨床開発および商業化の取り組みを支援するため、Pfizer、Gilead、Servierなどと提携関係を構築した。Servierとの注目すべき契約では、米国外におけるdarovasertibの権利が付与されている。同社はIDE849の開発についてHengrui Pharmaとも提携している。
Edgewiseは、主要な薬剤候補に関する物質特許および治療方法特許をカバーする強固な特許ポートフォリオを保有しており、特許は2039年から2044年に失効する見込みである。同社は製造について第三者CDMOに依存しており、規制当局の承認プロセスに向けて追加の製造業者を特定する計画である。IDEAYAは、製品候補およびバイオマーカー診断薬の製造を第三者メーカーに依存しており、自社製造設備を確立する計画はない。