トランプ大統領、新たな米国科学予算削減を提案—NIH間接費上限をめぐる法廷闘争は終結

トランプ大統領は2027年度に向け、NIHの13%削減、NSFの約55%削減など、主要米国科学機関への大幅な予算削減を提案した。また、NIHの研究間接費支払いを15%に上限設定する政策をめぐる別個の法廷闘争では、最高裁判所への上訴期限を徒過した。

米国のドナルド・トランプ大統領は昨年に続き、主要な米国科学機関の予算に対する大幅な削減を提案した。ホワイトハウスが示した来年度の連邦支出計画には、一部の学術ジャーナルの購読料や出版費用への連邦資金使用を禁止する条項も含まれている。一方、政権は研究間接費に対する連邦支援を削減する法廷闘争について、最高裁判所への上訴を行わない方針である。

この計画は、健康、宇宙、環境に関する研究に資金を提供または実施する連邦機関への削減を提案している。最も大幅な削減が提案されているのは**国立科学財団(NSF)環境保護庁(EPA)**であり、両機関の2027年度予算は現行水準から50%以上減少する。**国立衛生研究所(NIH)**の予算は13%減少する見込みである。

ホワイトハウスはNSFの予算を約55%削減し、40億ドルとする方針である。NASAは総予算で23%、科学部門で47%の削減に直面しており、40以上のプロジェクトが打ち切られる見通しである。

提案における各機関の予算額は以下の通りである。

  • NASA:2026年度244億ドル→2027年度188億ドル(提案)
  • 国立衛生研究所(NIH):2026年度472億ドル→2027年度413億ドル(提案)
  • 国立科学財団(NSF):2026年度88億ドル→2027年度40億ドル(提案)
  • エネルギー省科学局:2026年度84億ドル→2027年度71億ドル(提案)
  • 国立標準技術研究所(NIST):2026年度18億ドル→2027年度9億ドル(提案)
  • 国立海洋大気庁(NOAA):2026年度62億ドル→2027年度45億ドル(提案)
  • 環境保護庁(EPA):2026年度88億ドル→2027年度42億ドル(提案)

予算文書によれば、量子情報および人工知能(AI)に関する研究については「米国が最先端を維持する」ために資金を維持するとしている。しかし、NSFにおける基礎的な量子研究およびAI研究の資金は、それぞれ37%および32%削減されることになる。

また、この提案では、高額な学術ジャーナルの購読料や法外な出版費用への連邦資金支出を、連邦法で義務付けられている場合または連邦機関が事前に承認した場合を除き、禁止するとしている。提案は、多くの学術ジャーナルが同一の研究論文について、政府に出版費用とアクセス費用の両方を請求していると指摘している。

最終的に連邦予算の使途を決定するのは大統領ではなく米国議会である。議会は2026年度予算について、政権が求めた大幅な削減要求を却下し、ホワイトハウスが廃止を目指した多くのプログラムへの資金を復活させた。今回の提案は議会交渉の出発点であり、交渉は2027会計年度が始まる10月1日まで、あるいは11月3日の議会選挙の影響でそれ以降まで続く可能性もある。

NIHの助成金をめぐる別個の紛争において、トランプ政権は研究間接費の支払いを15%に上限設定する法廷闘争について、最高裁判所への上訴を行わない方針である。上訴期限は司法省から申立てがないまま徒過し、連邦助成金における間接費の償還率を大幅に引き下げる政策をめぐる14カ月にわたる対立は事実上終結した。

この法廷闘争は昨年2月、NIHが研究間接費の支払いを15%に上限設定すると突然発表したことに端を発する。従来の政策では、各機関はNIHと個別に交渉し、特定プロジェクトの目的に直接関連しない経費——施設維持や助成金管理スタッフの人件費など——を賄うための個別率を設定していた。多くの研究機関は通常、直接研究経費の50%以上を間接費として受け取っていた。

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References

  1. Trump administration drops court fight to cap NIH payments for research overhead costs · statnews.com
  2. Massive budget cuts for US science proposed again by Trump administration - Nature · nature.com
  3. US scientists gear up for next battle over funding cuts - Financial Times · ft.com