進行TNBC治療:Sac-TMTがPFS主要評価項目を達成、新たなバイオマーカー研究も進展

第3相OptiTROP-Breast03試験において、サシツズマブ チルモテカン(sac-TMT)が進行TNBCの一次治療としてPFS主要評価項目を達成した。また、HER2-lowが免疫療法反応不良と関連すること、新規バイオマーカーTmSの導入、薬剤耐性細胞状態の特定など、新たな研究知見も報告されている。

**サシツズマブ チルモテカン(sac-TMT)**は、切除不能な局所再発または転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者に対する一次治療として、第3相OptiTROP-Breast03試験の事前指定中間解析において、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を達成した。独立データモニタリング委員会は、sac-TMT単剤療法が、医師選択による化学療法と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるPFSの改善を示したと結論づけた。全生存期間(OS)データは未成熟であるものの、良好な傾向が観察された。

OptiTROP-Breast03は、進行期疾患に対する事前の全身療法を受けていない切除不能な再発または転移性TNBC患者を対象に、sac-TMTと医師選択による化学療法の有効性と安全性を評価するよう設計された、無作為化、非盲検、多施設共同の第3相臨床試験である。本試験には、既存の治療選択肢が限られている2つの患者集団が登録された:PD-L1陰性発現の患者と、早期設定で抗PD-(L)1阻害剤療法後に再発したPD-L1陽性発現の患者である。2つの独立した主要評価項目はPFSとOSである。安全性プロファイルはこれまでの試験と一致しており、新たなシグナルは確認されなかった。この結果は、一次治療TNBC設定で良好な結果を示したsac-TMTの最初の承認申請用第3相試験となる。これらの結果に基づき、同社は中国国家薬品監督管理局(NMPA)薬品審査センターと、この適応症におけるsac-TMTの規制経路について協議する予定である。PD-L1複合陽性スコア10未満の患者を対象に、sac-TMT単剤またはペムブロリズマブとの併用を一次治療として評価するグローバル第3相TroFuse-011試験は現在も進行中である。

sac-TMTは、抗TROP2モノクローナル抗体サシツズマブをベロテカン誘導体トポイソメラーゼI阻害剤ペイロードに不可逆的に結合する二機能性リンカーを用いて開発された、新規の抗TROP2ヒト抗体薬物複合体である。このコンストラクトは、薬物抗体比7.4を有する。腫瘍細胞表面のTROP2に結合すると、sac-TMTはエンドサイトーシスされ、細胞内でペイロードを放出し、DNA損傷、細胞周期停止、アポトーシスを誘導する。膜透過性ペイロードKL610023は、隣接する腫瘍細胞への細胞傷害活性を可能にする傍細胞効果(バイスタンダー効果)も示す。

npj Precision Oncologyに掲載された研究では、多施設共同の実世界コホート研究により、HER2-low TNBC患者はHER2-0患者よりも免疫療法への反応が不良である一方、化学療法単独では有意差は認められないことが明らかになった。これらの知見は、独立した前向きコホート(ISPY-2およびNeoTRIP)で検証された。シングルセルマルチオミクス解析により、HER2-low腫瘍はHER2-0腫瘍と比較して、主要組織適合遺伝子複合体および免疫チェックポイント分子の発現が低下し、T細胞活性も低下していることが示された。免疫療法後、HER2-low腫瘍では標的免疫チェックポイント分子の有意な下方制御は見られず、T細胞クローン再構成も顕著ではなかった。これらの知見は、HER2-low発現が、免疫原性の低い腫瘍微小環境によって形成される免疫療法反応の負の予測因子であることを確立するものである。

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らは、TmS(腫瘍mRNAシグネチャー)と名付けられたバイオマーカーを導入した。これは、腫瘍細胞と間質細胞および免疫細胞の比率を考慮するだけでなく、がん特異的異数性も調整し、染色体変異に対して遺伝子発現レベルをより正確に正規化するものである。西洋人とアジア人の多様な集団にわたる575人のTNBC患者からなる多民族コホートで試験されたTmSは、患者を明確な予後グループに層別化した:高TmSはより良い予後と化学療法へのより良好な反応を示し、低TmSはより不良な臨床転帰を示した。この層別化は、既存の予測方法論を上回るものであった。西洋人とアジア人の患者コホート間の比較分析により、治療応答性に影響を与える可能性のある腫瘍微小環境の差異が明らかになった。研究者らは以前、43の既存のデコンボリューション法をカタログ化して評価し、微小環境因子によって駆動される遺伝子発現変化を捉える能力に限界があることを指摘していた。

PLoS Oneに掲載された研究では、予測性能が0.94を超えるTNBC予後予測モデルが開発されたが、これまでの研究で予測性能が0.85を超えるモデルを示したものはなかった。選択された9つのマーカーを5つの独立したデータセットに適用したところ、TNBC特異的予後マーカーとしての可能性が実証された。GPR61、PZP、IGFL1、AHCTF1を含むこれらの遺伝子のほとんどは、TNBC患者の全生存期間と関連していた。

Genome Medicineに掲載された別の分析では、研究者らは、ネオアジュバント化学療法後に残存病変を有するTNBCの14の患者由来異種移植(PDX)モデルから得られた129,433細胞を用いて、高解像度のシングルセルアトラスを生成した。教師なしクラスタリングにより、モデル間で共有される4つの転写的に異なるがん細胞状態が特定され、発生、低酸素、インターフェロンシグナル伝達、染色体不安定性、DNA損傷関連経路が濃縮されていた。特定された細胞状態のうち、低酸素とインターフェロンシグナル伝達に関連する2つは、薬剤耐性持続細胞(drug-tolerant persister cells)に関連する転写特徴を共有していた。低酸素関連集団は変異状態との関連を示さず、耐性メカニズムが遺伝的経路ではなくエピジェネティックな経路を介して駆動される可能性を示唆している。複数の独立したTNBCコホートにわたる検証により、残存病変で観察された調節不全経路が化学療法未治療の腫瘍にすでに存在していること、および細胞状態が遠隔転移病変でも持続し、予後と治療反応に関連していることが確認された。機能的なin vitro実験では、リシン脱メチル化酵素KDM5Bの阻害が薬剤耐性持続細胞の出現を抑制し、エピジェネティックな調節がTNBCにおける耐性発現の予防に役立つ可能性があることが示された。

トリプルネガティブ乳がんは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2の発現を欠くことによって定義される乳がんのサブタイプであり、全乳がん症例の約15〜20%を占め、最も攻撃的な挙動と最悪の予後を示す。

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References

  1. Chief Healthcare Executive Roundtable: Patients are getting squeezed · chiefhealthcareexecutive.com
  2. Antibody- Drug Conjugate Therapy at the Forefront of Triple-Negative Breast Cancer · onclive.com
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