皮下infliximab、治療中断後に疾患コントロールを再獲得
LIBERTY-CDおよびLIBERTY-UC試験の事後解析により、16週間以上の休薬後に皮下(SC)infliximabを開始したクローン病/潰瘍性大腸炎患者で、疾患コントロールの再獲得と維持が示された。臨床反応は8±2週と早期に認められ、Week 102まで有効性と安全性、治療継続が保たれた。
Celltrion, Inc.は、主要なLIBERTY試験(LIBERTY-CDおよびLIBERTY-UC)の事後解析(post-hoc analysis)による新たなデータを発表し、皮下(SC)infliximabが大半のクローン病(CD)および潰瘍性大腸炎(UC)患者で奏効を回復・維持し、Week 102まで有効性、安全性、治療継続(persistence)が持続したことを示した。これらのデータは、スウェーデン・ストックホルムで2月18日~21日に開催される第21回European Crohn's and Colitis Organisation(ECCO)学会にて、ポスター発表として提示される予定である。
本解析では、第3相LIBERTY試験でプラセボ維持群に無作為化された患者のうち、静脈内(IV)infliximabによる導入療法を完了した後、病勢進行によりSC infliximab開始前に16週間以上のdrug holiday(休薬期間)を経験した患者を対象に、SC infliximab 240mg開始の有効性および安全性を評価した。
SC infliximabで治療を開始したCD 51例およびUC 77例のうち、臨床反応は8±2週という早期に認められ、その後も試験期間を通じて維持された。治療終了時には、糞便カルプロテクチン(faecal calprotectin)寛解をCDで61.1%、UCで65.2%が達成し、内視鏡反応/改善はCDで64.0%、UCで68.8%が達成した。治療終了時点の継続率はCDで72.3%、UCで61.9%であった。血清infliximab濃度はSC infliximab開始後に上昇し、Week 102まで安定して推移し、新たな安全性上の懸念は認められなかった。
本結果は、SC infliximab 240 mgの治療開始がCDおよびUC患者において疾患コントロールを再獲得し維持するうえで有効であることを示しており、計画的または非計画的な治療中断後に臨床的コントロールを取り戻すための有効かつ安全な選択肢として、SC infliximabが提供され得ることを示唆している。
Icahn School of Medicine at Mount Sinaiの小児科教授でありIBD Centerのディレクターは、infliximabの中断後に治療を再開する際の最大の懸念は免疫原性(immunogenicity)であるとしたうえで、本結果は免疫原性を有する患者においても治療継続が維持された可能性を示唆すると述べた。同教授は、利便性の高い皮下注製剤により疾患コントロールを効果的に再獲得できるだけでなく、この反応が早期に認められ、主要なLIBERTY試験の事後解析においてWeek 102まで維持されたことは心強い、と指摘した。
ドイツ・キールのUniversity Hospital Schleswig-Holstein、Department of Medicine Iの教授は、臨床現場では患者が臨床的・非臨床的理由で治療中断を経験し得るため、治療開始にあたってはリスクを慎重に考慮する必要があると述べた。このデータは、皮下infliximabが疾患コントロールを有効かつ安全に再獲得できることを示すエビデンスを提供しており、臨床医と患者の双方にとって実行可能な治療選択肢となるとした。
Celltrionは、「Enhancing Patient Management with Subcutaneous Infliximab: Practical Insights & Discussion」と題するサテライトシンポジウムを、2月20日(金)12:45~13:25にStockholmsmässanのRoom A12で開催する。座長はJean-Frédéric Colombel教授が務め、Anthony Buisson教授およびAxel Dignass教授による発表が行われる。
CelltrionのGlobal Medical Affairs担当バイスプレジデントは、本試験から得られた包括的データが、消化器領域における重要な治療選択肢として皮下infliximabを支持するエビデンスの蓄積をさらに強固にする、と述べた。ECCO 2026で提示されるデータは、同社が消化器領域におけるケアの標準向上と炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)の患者の生活改善に長年取り組んできたこと、そしてそのリーダーシップを改めて示すものだとしている。
CT-P13 SCは、infliximabの世界初の皮下注製剤である。体重にかかわらず成人に使用可能なCT-P13 SC 120mgの固定用量は、米国、英国、EU、カナダ、ブラジル、オーストラリア、台湾を含む60カ国で承認されている。infliximabの皮下注製剤は、薬物曝露の一貫性を高め、投与方法の利便性を提供することで治療選択肢を拡充する可能性がある。2024年7月、CT-P13 SCは欧州委員会(European Commission)より追加の用法・用量および増量(dose escalation)について最終承認を取得した。これにより、導入療法として静脈内(IV)で3回投与する導入レジメンと、反応消失(loss of response)の患者に対して、皮下維持投与量をCT-P13 SC 120 mg Q2Wから240 mg Q2Wへ増量することが可能となった。