多職種管理と早期病態への注目で広がるDMD診療
Duchenne muscular dystrophyの診療は、多職種による包括的管理へと大きく舵を切っており、早期病態、バイオマーカー、治療開始時期への注目が高まっている。臨床医は、拡大する治療選択肢を背景に、特に神経内科、循環器、呼吸器、内分泌を中核的優先領域として挙げた。
Duchenne muscular dystrophyの診療は、この5年から10年で劇的な変化を遂げており、臨床医はいま、拡大し続け進化する治療環境への対応を迫られている。Duchenne Muscular Dystrophy Awareness Weekでの議論では、不可欠な多職種チーム、家族中心の受診体制、さらに遺伝子標的治療の広がりに伴って、早期病態、バイオマーカー、治療開始時期、併用戦略への関心が高まっていることが強調された。
臨床医らは、神経内科医を「captain of the ship」と表現し、幅広いサブスペシャリティにまたがる診療の調整役と位置付けた。主要な専門職には、循環器科医、呼吸器科医、内分泌科医、理学療法士、作業療法士、整形外科、緩和ケア、栄養分野が含まれる。診療は疾患ステージに応じて変化する必要があり、早期の歩行可能な段階では理学療法と作業療法が優先される一方、病勢の進行に伴って心機能、呼吸機能、内分泌のニーズが前面に出てくる。
議論では、すべての医療機関が包括的な学際的チームにアクセスできるわけではないという現場の課題にも触れられた。そのような場合でも、神経内科、循環器、呼吸器、内分泌は欠かすことのできない優先領域とされた。参加者はまた、受診ごとに家族が何を相談したいのかを確認すること、重要でありながら見落とされがちな精神医学および心理学の役割、そして文化的・言語的背景に応じて家族に寄り添う必要性を強調した。
進化するDMDの生物学と治療をめぐっては、疾患プロセスが従来考えられていたより早期に始まることを示すエビデンスや、進行や治療反応を規定するうえで免疫学的因子の重要性が増していることが取り上げられた。議論ではさらに、神経筋専門医が治療開始時期と併用戦略にどう向き合うべきか、creatine kinaseとdystrophin発現などのバイオマーカーの解釈の変化と限界、さらに2026年以降の診療を見据えた際に新たな遺伝子治療プラットフォームが何を示唆するのかが検討された。
このシリーズの今後の回では、臨床現場で利用可能な変異特異的および非変異特異的DMD治療について、corticosteroids、exon skipping、gene therapyを含めた包括的な概説が示される予定である。