迫り来る「特許の崖」に直面する欧州製薬大手、モデルナはFDA申請却下で打撃
特許切れに伴う収益減を補うため、大手製薬会社によるパイプラインの拡充が急務となっている。ノバルティスが記録的な売上減を予測する一方、モデルナはFDAからのインフルワクチン申請却下という逆風に見舞われており、業界全体の緊張感が高まっている。
欧州の大手製薬各社は、主力の大型薬(ブロックバスター)が特許切れを迎える「特許の崖」を前に、後継となる新薬パイプラインの重要性を強調している。特に2026年は、過去数年の開発の成否が業績に直結する重要な年になると見られている。
ノバルティスは、2026年上半期だけで40億ドルの売上とそれに匹敵する利益を特許切れにより失う見込みで、これは同社史上最大規模の事態となる。一方、アストラゼネカは自信を深めており、2030年までに25品目の新薬を市場投入し、売上高を現在の約600億ドルから800億ドルへ引き上げる野心的な計画を掲げている。
こうした中、モデルナはインフルエンザワクチンの承認申請がFDA(米国食品医薬品局)に受理を拒否されるという大きな挫折に直面した。FDAは治験のデザイン、特に対照群の設定が適切でないと指摘。これに対しモデルナは「事前に合意を得ていたはずだ」と反論しており、当局の判断基準の変更が業界に波紋を広げている。この遅れは、開発中の新型コロナ・インフル同時接種ワクチンの承認スケジュールにも影響を与える可能性がある。