FDA、乳がん治療薬2件にファストトラック指定

米国FDAは、生殖細胞系列BRCA変異を有するHER2陰性の局所進行または転移性乳がんに対するART6043+olaparib併用療法にファストトラック指定を付与した。さらに、BriaCell TherapeuticsのBria-IMT+免疫チェックポイント阻害薬を評価する転移性乳がんの第3相試験も同指定の下で進行しており、乳がん領域の大きなアンメット・メディカル・ニーズを示している。

米国FDAは、PARP阻害薬による治療歴のない生殖細胞系列BRCA変異を有するHER2陰性の局所進行または転移性乳がん患者を対象に、ART6043とolaparibLynparza)併用療法をファストトラック指定(fast track designation)とした。別途、転移性乳がんにおけるBriaCell TherapeuticsBria-IMTと免疫チェックポイント阻害薬併用のピボタル第3相試験は、転移性乳がん治療における大きなアンメット・メディカル・ニーズを反映し、FDAのファストトラック指定の下で実施されている。

ART6043は、ファースト・イン・クラスとなる可能性のあるDNAポリメラーゼθ阻害薬である。本剤は経口投与可能な低分子阻害薬である。DNAポリメラーゼθは、がん細胞で認められる一方、健常細胞では多くが欠如している酵素である。BRCA変異やPARP阻害薬耐性を有するものを含む分子学的に規定された固形腫瘍にolaparibを追加すると、標的結合(target engagement)が増強され、忍容性を維持しつつ抗腫瘍活性が得られるとされる。

ART6043とolaparibの併用は、DNA損傷応答経路を有する固形腫瘍患者(HER2陰性乳がんにおける生殖細胞系列BRCA変異例を含む)を対象とした第1/2a相試験(NCT05898399)で評価された。結果では、ART6043は単剤で良好な忍容性プロファイルを示し、olaparibとの併用でも追加毒性は認められなかった。経口1日1回投与は、利便性が高いとして薬物動態データにより支持され、ART6043とolaparibの間に薬物相互作用は認められなかった。腫瘍退縮がみられた患者では、olaparib併用によりART6043の薬力学データが強化された。

BriaCell Therapeuticsは、転移性乳がんにおいてBria-IMTと免疫チェックポイント阻害薬の併用を評価するピボタル第3相Bria-ABC試験(NCT06072612)について、独立データ安全性モニタリング委員会(DSMB)から5回連続で肯定的な推奨を得た。レビュー後、DSMBは安全性上の懸念を提起せず、変更なしで試験を継続することを推奨した。DSMB会議は試験プロトコールに従い四半期ごとに実施される。

ART6043の第1/2a相試験では、パートAで用量制限毒性を認めた患者数を主要評価項目とし、パートB1では有害事象を認めた患者数、パートB2では無増悪生存期間を主要評価項目とした。副次評価項目には、最良総合効果、客観的奏効率、病勢制御率、奏効期間、腫瘍サイズの変化が含まれた。

患者は、これまでのすべての化学療法薬、非ホルモン性の分子標的治療、または治験薬を少なくとも21日または5半減期(いずれか短い方)中止していること、前治療または外科的処置によるすべての毒性が消失していること、パフォーマンスステータスが0~2であること、臓器機能が十分であることを満たす場合に治療適格とされた。

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References

  1. FDA Grants Fast Track Designation to ART6043/Olaparib in BRCA-Mutated, HER2– Breast Cancer · cancernetwork.com
  2. BriaCell Wins Fifth Straight Safety Nod for Fast - Track Phase 3 Breast Cancer Trial · tipranks.com
  3. BriaCell Receives Positive Recommendation from Data Safety Monitoring Board (DSMB) for ... · finance.yahoo.com