オンタリオ州、先住民の懸念の中でKinross Goldの50億ドル規模「Great Bear」鉱山を迅速審査へ

オンタリオ州は、州の「One Project, One Process」枠組みの下で、Kinross Goldの50億ドル規模「Great Bear」金鉱山プロジェクトを迅速審査の対象に指定し、大型鉱山として初の適用例となった。一方で、Red Lake近郊の同計画をめぐっては、Grassy NarrowsがEnglish-Wabigoon河川系での水銀汚染リスクを理由に反対を表明している。

Ontarioは、州の「One Project, One Process」枠組みの下で、Kinross Gold Corp.のGreat Bear gold projectを迅速審査の対象に指定し、オンタリオ州北西部にある50億ドル規模の鉱山の承認手続きを加速させた。この指定は2月17日、ミシサガでの記者会見で、エネルギー・鉱山相Stephen Lecceが発表した。

Red Lakeの南東24kmに位置するGreat Bearは、露天掘りと坑内掘りを組み合わせた鉱山で、ピーク時には年間約500,000オンスの金を生産し、当初の12年間の鉱山寿命で500万オンス超を生産すると見込まれている。同プロジェクトは50億ドルの投資であり、1,000人を超える直接雇用を創出し、さらに数千人規模の派生的な雇用機会も見込まれている。建設は暫定的に2027年に開始し、政府の許認可を前提に、2029年までに初回の金生産を開始する見通しだ。

Kinrossは、オンタリオ州から迅速審査の指定を受けた最初の大手鉱業企業となり、重要鉱物に注力するジュニア鉱山会社であるFrontier LithiumのPAK project、Canada NickelのCrawford projectに続く形となる。合理化された手続きの下で、Kinrossは必要な許認可すべてについて州側の単一窓口とやり取りでき、審査期間を半分に短縮することを狙ったプロセスだという。

Lecceは、トランプ政権による貿易戦争の中での「世界的な経済不確実性」を、スケジュール前倒しの根拠として挙げた。「私たちは、大胆で、野心的で、スピード感をもって、国益のために進められるというメッセージを送っている」と述べた。同相はまた、新規プロジェクトの承認を迅速に進めることが、オンタリオ州への投資呼び込みの鍵になると付け加えた。

最高経営責任者(CEO)はGreat Bearについて「カナダ最大級で最も収益性の高い金鉱山の1つになり得る立場にある」と述べ、先住民コミュニティに対する「大きな経済的・雇用上の恩恵」を約束した。社長はGreat Bearを高品位の「世代をまたぐ機会(generational opportunity)」と表現し、誰にとっても「前向きなレガシー」を生み出すと説明。周辺のFirst Nationsが鉱山の恩恵を確実に得られるよう、「信頼に基づく」関係を引き続き築いていると付け加えた。

同プロジェクトは引き続き、Impact Assessment Agency of Canadaが主導する連邦の影響評価の対象となっている。同庁は2024年3月、魚類および魚類生息環境、渡り鳥、先住民に関する、連邦が管轄権を有する領域に基づいてプロジェクトを審査すると決定した。連邦機関によれば、同プロジェクトは日量最大60,000トンの鉱石を産出し、金属精錬所(ミル)は約20年にわたり日量最大15,000トンを処理する見込みだという。先住民および一般市民は、連邦評価への参加のための資金支援を申請できる。

州政府はまた、周辺の新規鉱山に電力を供給し、他の経済活動を解放するため、Red Lake地域に約200kmの新たな送電線を追加する案についても協議している。送電線および天然ガス・パイプラインへの接続に向けた作業は進行中だ。

Red Lakeの真南100kmに位置する遠隔地のFirst NationであるGrassy Narrowsは、鉱山プロジェクトがEnglish-Wabigoon河川系に環境リスクをもたらす懸念があると表明してきた。同コミュニティは昨年、Ontario Land TribunalでKinrossの取水許可の1件に異議を申し立て、審判所は潜在的な環境リスクと協議上の問題に関してコミュニティ側の主張を認めた。

Grassy Narrowsは、20世紀半ばの工業排水により魚が汚染され、コミュニティの経済・文化・健康が壊滅的な打撃を受けたことを受け、Wabigoon-English River河川系における水銀汚染のレガシーと何世代にもわたり向き合ってきた。多くの住民はいまも水銀曝露に関連する神経学的症状に苦しんでおり、数十年を経た現在も漁業に関する注意喚起(fishing advisories)が継続している。

「一般の人々には、これらは過去に起きた誤りであり、今日の法律や規制の下では繰り返されないとしばしば伝えられている。しかし、それは事実ではない。現行の産業向け規制体制は著しく不十分で、強烈かつ継続する産業影響からGrassy Narrowsを守ることに、今なお失敗し続けている」と、Grassy Narrowsは同相およびEnvironmental Registry of Ontario宛ての書簡で述べた。

書簡はさらに、「私たちの水は依然として水銀で汚染され、Dryden millは河川でのメチル化を促進する排水を放流することで魚の水銀を倍増させ続けている。上流の金鉱山は源流域を汚染し続け、巨大ダムは生命を支える川の流れを分流させ、変えてきた。そして王室(Crown)は、源流域での核廃棄物処分や、さらに複数の鉱山のための舞台を整えている。水の汚染、魚の汚染、そして人々への害は、多国籍企業による資源採掘を私たちの犠牲のもとで明らかに優遇するオンタリオ州の現行規制の下で、今日まで続いている」と続けている。

提案中の鉱山は、鉱山排水に含まれて放出される硫酸塩(sulphates)が水銀汚染を強め得るため、懸念を呼んでいる。科学者らは、硫酸塩が水銀をメチル水銀(methylmercury)へと変換する化学的・生物学的プロセスを促進し得ることを見いだしている。メチル水銀ははるかに毒性が強く、食物連鎖を上がるにつれて濃縮が進み、最終的にはそれらの魚に生計を依存する人々に影響する。Kinrossは昨年7月、Great Bear鉱山から放出される硫酸塩濃度は「環境に有害ではない」と述べた。

オンタリオ州当局は、迅速審査は環境上のセーフガードや先住民との協議要件を撤廃するものではないと強調している。州は、先住民コミュニティと協議する義務は「完全に遵守される」と約束した。

Northwestern Ontario Municipal Associationの会長は、Great Bearの指定を「オンタリオ州北西部にとって重要な瞬間」と呼び、この地域への信頼を示し、労働力を強化し、自治体の税基盤を助け、資源ポテンシャルを明らかにすると述べた。同氏は、First Nationsとの実質的な協議と、これらのコミュニティとの機会共有が、「北部における資源開発の機会の中心にあり続けなければならない」と強調した。

MineConnectの事務局長は、鉱山の承認期間が短縮されることで信頼が高まり、オンタリオ州全域の加盟サービス企業に確実性がもたらされ、人材採用、設備購入、事業拡大、資金借入を後押しすると述べた。労働需要は北部からの人口流出を食い止め、コミュニティの維持につながるという。

Kinrossは2021年、Great Bearを約18億ドルと評価される取引で購入したと発表した。この取引は、鉱業会社が前所有者であるGreat Bear Resources Ltd.の株価に対して26.5%のプレミアムを支払った一方、同社が鉱床規模に関する正式な資源量推定(resource estimate)をまだ完了していなかったため、物議を醸した。2024年までにKinrossは、鉱床における金の正式な鉱物量推定(mineral estimate)として600万オンス超を完了した。

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References

  1. Ontario Fast - Tracks Gold Mine Review, Raising Alarms Over Grassy Narrows Mercury Risks · icmagazine.org
  2. Ontario to fasttrack approvals for Kinross' Red Lake mine project · northernontariobusiness.com
  3. Ford government to fast - track Great Bear gold mine north of Kenora - TheStar.com · thestar.com
  4. Ontario designates Kinross Gold's Great Bear project for speedy permit approval · financialpost.com