血液検査でアルツハイマー病の発症時期を予測 3〜4年の誤差で特定可能に
血液中のp-tau217タンパク質を測定することで、アルツハイマー病の発症時期を数年の誤差で予測できることが明らかになった。安価な血液検査による予測は、臨床試験の効率化や将来の個別化予防につながると期待されている。
セントルイス・ワシントン大学医学部の研究チームは、1回の血液検査でアルツハイマー病の症状がいつ現れるかを予測する画期的な手法を開発した。Nature Medicine誌に掲載された研究によると、このモデルを用いることで、3〜4年という極めて高い精度で発症時期を予測できることが示された。
この予測モデルは、血液中の液体成分(血漿)に含まれる「p-tau217」というタンパク質の数値を分析する。脳内にアミロイドやタウタンパク質が蓄積し始めてから症状が出るまでのパターンを解析した結果、年齢によって発症までの期間が異なることも判明した。例えば、60歳で数値が上昇した人はその20年後に発症するが、80歳で上昇した人は約11年後に発症するという。
現在、アルツハイマー病の診断には高額な脳画像診断(PET)や侵襲的な脊髄液検査が必要だが、血液検査は安価でアクセスも容易だ。研究チームのスザンヌ・E・シンドラー准教授は、「短期的には臨床試験の加速に役立ち、将来的には個々の患者が自分自身の発症時期を知ることで、予防や症状を遅らせるための計画を医師と共に立てることが可能になる」と述べている。