Neurofilament Light Chain(NfL)、種を超える加齢・死亡リスクのバイオマーカーとして特定

DZNEおよびUniversity of Tübingenの研究者らは、**neurofilament light chain(NfL)**が多数の動物種で血中から検出可能なバイオマーカーであり、加齢とともに上昇することを示した。高齢マウスではNfLの上昇速度が寿命と関連し、動物の生物学的年齢評価や余命推定への応用が期待される。

研究チームは、German Center for Neurodegenerative Diseases(DZNE)およびUniversity of TübingenのHertie Institute for Clinical Brain Research(HIH)において、タンパク質である**neurofilament light chainNfL)**が多数の動物種の血液で検出可能なバイオマーカーであり、マウス、ネコ、イヌ、ウマでは加齢とともにその値が上昇することを突き止めた。成果は科学誌PLOS Biologyに報告された。

NfLは神経損傷の指標である。疾患による場合でも、通常の加齢による場合でも、ニューロンが変化したり変性したりすると放出される。NfLはその後、血流に入り、高感度の解析技術を用いて検出できる。アルツハイマー病やALSなどの神経変性疾患では、NfLは血中で高値として認められる。しかし、健常者においても年齢とともに濃度は上昇する。

Neurofilament light chainはニューロンの重要な構造要素として、軸索内の細胞骨格ネットワークの一部を形成している。さまざまな神経疾患や加齢で一般的にみられる、神経細胞のストレス、損傷、あるいは変性の状況下では、NfLは細胞外空間へ放出され、最終的に血流へ移行する。血漿または血清中のNfLを検出することは、神経細胞の健全性と神経変性を評価するための高感度な手法として確立されつつある。

44匹の高齢マウスを対象とした縦断観察では、血中NfL値を4か月間にわたり定期的にモニタリングした。NfLの上昇が緩やかな個体は比較的長く生存した一方、上昇が速い個体では寿命が短いことと関連していた。研究からは、高齢者の血中NfL濃度が死亡リスクの増加と関連することも示されており、神経学的な加齢と死亡率の関連が示唆される。

ネコ、イヌ、ウマ、マウスに加えて、さらに53種の動物を抽出して調べた。対象にはウサギ、ライオン、サル、ゾウ、爬虫類、鳥類が含まれた。これは、ドイツ・シュトゥットガルトの動物園、University of ZurichのVetsuisse Faculty、ならびに獣医診断検査ラボとの協力のもとで行われた。NfLタンパク質は哺乳類では全ての種の血液で検出されたが、爬虫類と鳥類では一部に限られ、例えばワニやオウムでは検出された。

哺乳類以外の種で検出が限られた可能性のある説明として、これらの動物のNfLタンパク質配列がヒトのものとわずかに異なり、そのため本研究で用いた測定法では検出できなかったことが挙げられる。分類群間でのタンパク質アミノ酸配列の差異はアッセイ感度を低下させ得るため、今後の研究ではカスタマイズした検出法が必要になる可能性がある。

本研究の技術的基盤は、血液検体中のごく微量のNfL濃度を定量できる高感度免疫測定法の使用にある。これらのアッセイはタンパク質構造上のエピトープを検出するが、進化的な変異によっては、種によって検出が制限される場合がある。

本研究は、このバイオマーカーが動物の生物学的年齢を評価し、寿命(余命)を推定するのに役立つ可能性を示唆している。認知症研究で用いられてきた解析手法は、動物の生物学的年齢、神経学的健康、そして寿命(余命)を評価する上で、獣医療にとって有望である。

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References

  1. Protein Neurofilament Light Chain Identified as Biomarker for Aging and Neurodegeneration ... · geneonline.com
  2. Dementia Research Blood Marker Shows Promise for Tracking Aging Across Animal Species · bioengineer.org
  3. Blood Marker from Dementia Research Could Help Track Aging Across the Animal World · idw-online.de