超音波で活性化するナノバブルが腫瘍の障壁を破壊 薬剤送達を飛躍的に改善
超音波で活性化するナノバブルが固形腫瘍のコラーゲン障壁を物理的に破壊し、薬剤や免疫細胞の浸透を可能にする新技術が開発された。構成要素がすでにFDA承認済みのため、2年以内の臨床試験開始が期待されている。
ケース・ウェスタン・リザーブ大学の研究チームが、不活性ガスを充填したナノバブルを超音波で振動させ、固形腫瘍の周囲に形成されるコラーゲンバリアを物理的に破壊する新手法を開発した。研究成果は『ACS Nano』に掲載されている。
固形腫瘍はコラーゲンによる高密度の障壁を形成し、薬剤や免疫細胞の浸透を妨げている。研究チームは、パーフルオロプロパンを充填したナノバブルを腫瘍に注入し、超音波で振動させることでこの障壁を崩壊させた。処置後、腫瘍は少なくとも5日間にわたり軟化し、免疫細胞やナノ粒子が内部に到達しやすくなった。
特に注目すべきは、追加の免疫療法なしに、腫瘍内のキラーT細胞が活性化され、未処置の腫瘍にも反応する「遠隔効果」が確認されたことである。ナノバブルは前立腺がん検出用としてすでに商業化が進んでおり、使用する超音波もFDA承認済みであるため、18ヶ月以内のIND申請、2年以内の臨床試験開始が見込まれている。