バイエル、AI・精密医療・パイプライン強化で2030年戦略を推進

バイエルは2026年ファーマメディアデーにおいて、AI提携、精密医療、強化されたパイプラインを原動力とする2030年成長戦略を発表した。同社は2027年からの中一桁台の成長と、2030年までの30%の利益率達成を目指している。

バイエルは、AIを活用したオペレーティングモデル、強化された医薬品パイプライン、そしてオンコロジー(腫瘍学)、循環器疾患、ウィメンズヘルス(女性の健康)における精密医療への注力を原動力とする2030年に向けた成長戦略を発表した。同社は2027年から中一桁台の成長に復帰し、2030年までに利益率を30%に拡大する軌道にある。

2026年ファーマメディアデーで講演した取締役会メンバー兼医薬品部門社長は、同社が変革戦略から具体的な成果を上げ始めており、過去最強の医薬品ポートフォリオと差別化されたマルチモーダルなパイプラインに支えられていると述べた。

バイエルはIambic Therapeuticsとの提携を締結し、低分子創薬と医薬品開発にAI搭載技術を活用する。この協力は、従来の方法ではアプローチが困難であった創薬標的に焦点を当てる。バイエルはIambicのAIプラットフォーム「Enchant」と「NeuralPLexer」を利用し、これにより新たな創薬経路の特定と最適化期間の短縮が期待される。この提携により、バイエルは社内で同等のシステムを開発する代わりに、外部のAI機能を活用することが可能となる。

AIはバイエルの長期戦略における中心的な推進力として浮上している。同社は、AIプラットフォームと匿名化された患者中心データの統合を通じて、2030年までに研究開発の生産性を40%向上させることを目指している。Vanderbilt University Medical Centre、FinnGen、PRECISEとの戦略的提携は、バイエルが大規模データセットと高度な分析を活用して創薬を加速するのに役立っている。テクノロジー企業Cradleとの提携は、開発期間の短縮と分子設計の精度向上に貢献すると期待されている。

バイエルの研究部門は、オンコロジー、循環器、神経、ウィメンズヘルス、細胞・遺伝子治療などの専門領域で活動し、40のアクティブプログラムを管理している。同社のイノベーションポートフォリオは、45%が生物学的製剤および先進治療、55%が低分子化合物で構成されている。

循環器ケアにおいて、バイエルは凝固経路の第XIa因子を標的とした次世代の二次脳卒中予防療法を推進しており、血栓形成と止血の分離を目指している。同社はまた、心筋症を伴うトランスサイレチンアミロイドーシスの治療で進展を見せており、トランスサイレチンタンパク質を安定化する治療薬を欧州で導入している。ミネラルコルチコイド受容体の過剰活性化を標的とする同社の治験薬は、5つの臨床試験で評価されている。

オンコロジーは引き続き中核的な成長の柱である。バイエルは転移性ホルモン感受性前立腺癌を標的とする第2世代アンドロゲン受容体阻害薬を推進し、転移性去勢抵抗性前立腺癌に対する標的アルファ療法を含む精密医療への投資を進めている。子会社のVividion Therapeuticsは、化学プロテオミクスプラットフォームを活用した低分子治療薬を開発しており、癌および免疫学におけるこれまで「創薬不可能」とされてきた疾患ドライバーを標的としている。

ウィメンズヘルスにおいて、バイエルは閉経に伴う血管運動症状(乳癌患者における内分泌治療によって誘発されるものを含む)を標的とする治療薬を開発している。

バイエルのパイプラインは2025年に勢いを増し、3件の製品承認、2件の適応追加、6件の良好な第III相試験結果に支えられた。2026年に向けて、同社は精密医療、遺伝子・細胞治療、分子イメージングにおいて重要なマイルストーンを期待している。バイエルは子会社のAskBioおよびBlueRock Therapeuticsを通じて遺伝子・細胞治療プラットフォームへの拡大を進めており、パーキンソン病や遺伝性網膜疾患などを標的としている。

医用イメージングにおいて、バイエルは安全性プロファイルが改善され投与量が低減された次世代ガドリニウムベースMRI造影剤、ならびにアミロイド沈着を検出するための分子イメージング剤を開発している。

バイエルの医薬品事業は、Xarelto(リバーロキサバン)の後発医薬品やEylea(アフリベルセプト)のバイオシミラーによって生じたトンネルから、ようやく出口の光が見え始めている。新製品Nubeqa(ダロルタミド)とKerendia(フィネレノン)が二桁の売上成長を達成しているためだ。欧州における2つの主力製品の exclusivity(独占販売権)喪失による収益減少を補うにはまだ道のりはあるものの、パイプラインがそのギャップを埋めるのに貢献している。

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References

  1. How Bayer Uses AI to Advance Drug Discovery With Iambic | Healthcare Digital · healthcare-digital.com
  2. Bayer outlines growth path to 2030 driven by AI and pharma innovation · vir.com.vn
  3. Bayer's Precision Medicine Approach Shows Signs Of Delivering On Growth Strategy · insights.citeline.com