ミミズ状ナノ構造と突起由来EV、遺伝子・タンパク質送達を前進

ミミズ状ナノ構造はClC3イオン交換輸送体を利用してエンドソーム脱出を行う。また、細胞突起由来の細胞外小胞(EV)は、エンドソーム由来EVよりも効率的にタンパク質やゲノム編集酵素を送達する。どちらもウイルスベクターを回避する。

研究者らは、効率的な遺伝子送達とエンドソーム脱出のためのミミズ状核酸ナノ構造を開発し、さらに、細胞表面の突起から生成される細胞外小胞(EV)が、従来のエンドソーム由来小胞よりもはるかに効率的に活性タンパク質やゲノム編集酵素を送達することを発見した。どちらのアプローチも、非ウイルス性の遺伝子・タンパク質送達における主要なボトルネックであるエンドソーム脱出の課題に取り組むものである。

ナノ粒子は、ウイルスベクターに比べて免疫原性が低い確立された遺伝子キャリアであるが、そのエンドソーム脱出は依然として非効率的である。2019年以降、NP-遺伝子複合体とエンドリソソームの間の相関係数が0.2未満であると報告した研究論文は、38,000件超のうちわずか14件にとどまる。エンドソーム脱出のための主流の遺伝子キャリアは、カチオン性NPと脂質ベースNPの2つである。カチオン性NPは「プロトンスポンジ効果」によってエンドソームから脱出するが、その正電荷がしばしば細胞毒性を誘発する。脂質ベースNPは「膜不安定化」によって脱出するが、脂質のスクリーニングは困難な場合があり、脂質は膜損傷や炎症を誘発する可能性がある。

球状核酸、DNA折り紙、タイル型ナノ構造、核酸ナノゲルなどの核酸ナノ構造は、生体適合性、トランスフェクションなしの細胞取り込み、細胞毒性と免疫原性の軽減を備えた有望な代替手段となるが、そのエンドソーム脱出は非効率的であり、しばしばカチオン性基、細胞透過性ペプチド、または機械的刺激を必要とする。新しいナノ構造は、金-ポリドーパミンコアシェルナノワーム(Au@PDA NW)のハイブリッドからなる構造テンプレートの表面に治療用核酸を吸着させる。このナノ構造は全体としてアニオン性であり、トランスフェクション試薬なしで細胞に入り、カチオン性・脂質性の官能基や機械的刺激を一切用いずに、4種類の細胞でピアソン相関係数0.2未満でエンドソームから脱出する。また、塩化物電位依存性チャネル3(ClC3)イオン交換輸送体を自然に活性化し、この輸送体が小胞内へのH+およびCl-の蓄積とエンドソーム脱出を媒介する。

このナノ構造は、in vitroでのmiRNAによるマクロファージ分極とsiRNAによる間質細胞分化、ex vivoでのmRNAを用いた腎線維症軽減のための細胞ベース治療、in vivoでの肝損傷治療のための肝細胞へのmRNA送達を可能にし、エンドソーム脱出と有効性においてLipofectamineを上回った。

2025年12月8日にNature Communicationsに掲載された研究で、日本の研究者らは細胞外小胞の2つの主要な生合成経路を比較した。細胞外小胞は、隣接する細胞にタンパク質やその他の分子を輸送するために細胞が放出する小さな膜結合粒子である。これらは、細胞内のエンドソーム区画に由来するか、または細胞表面の特殊な突起から直接由来する。研究チームは、I-BARタンパク質(MIM)依存的に細胞表面の突起から生成されるEVが、従来のエンドソーム由来CD63関連EVよりもはるかに効率的に活性タンパク質とゲノム編集酵素を送達することを発見した。

研究者らはヒト細胞を培養し、突起由来EVとエンドソーム由来EVの両方を単離し、それらに規定のタンパク質カーゴを搭載して、レシピエント細胞に添加した。ライブセルおよび超解像イメージングを用いて、EVの取り込み、エンドソーム区画を通る輸送、細胞質へのカーゴの放出を追跡した。その結果、細胞遊走を調節するタンパク質であるRac1は、突起由来EVによって送達されると、後期エンドソームから細胞質へ効率的に脱出し、活性を維持し、細胞運動を刺激することがわかった。また、突起由来EVは、コンパクトなゲノム編集酵素であるCas12fを、ウイルスベクターやウイルス融合タンパク質を用いることなく、従来のエンドソーム由来EVよりもタンパク質1分子あたりの機能的効率が劇的に高い状態で輸送することも示された。

「我々の研究結果は、細胞がすでに非常に効果的でウイルスを使わない送達メカニズムを備えている可能性を示している」と主任研究者は述べ、この自然のシステムを利用すれば、ゲノム編集、再生医療、タンパク質ベースの治療薬のための、より安全で精密な戦略につながる可能性があると付け加えた。この研究は、工学的に設計されたウイルス構成要素ではなく、細胞自身の分子機構を活用する次世代送達技術の基礎を提供するものである。

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References

  1. New genetic switch could improve gene therapy for drug-resistant epilepsy - Medical Xpress · medicalxpress.com
  2. A worm-like nucleic acid nanostructure for gene delivery and endosomal escape via ClC3 ... · science.org
  3. Tiny cell messengers show big promise for safer protein and gene delivery | EurekAlert! · eurekalert.org